
フランセス・イエイツ
Frances Amelia Yates, DBE, FBA、1899 - 1981、女性)は、イギリスの思想史家。
イギリス・ポーツマス生まれ
ウォーバーグ研究所、 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、 ロンドン大学卒
西欧の歴史を考えると、世界史における西欧の役割は、ルネサンス期を契機として飛躍的に大きくなります。
それまでの西欧文明は、地球上の諸文明の一つにすぎませんでしたが、ルネサンスを契機に、すなわち、近代という時代に入ると、その影響力は加速度的に増していきます。
「近代」という時代は、世界の西欧化の時代といっても良いくらいです。そしてこの西欧近代文明を支える知識体系が、一般に近代科学技術として知られています。
西欧神秘主義の流れも、ルネサンスを契機として微妙に編変化しています。
ルネサンス以前の西欧神秘主義は、既に述べたように、始原(=神)の観念を中心に展開していましたが、ルネサンス以後においては、すべての西欧的な価値が「神」から「人間」に移行していきます。
始原の観念は、神ではなく人間の内部に求められていくようになります。 この世俗化の過程の中で「自然」探求の学問、すなわち近代自然科学が、それまでの神学にとって代わりました。
フランセス・イエイツは、17世紀の薔薇十字運動が単なる神秘主義・魔術の運動ではなく、その後の西欧を塗りかえてしまう近代科学思想を先取りする運動であったことを見抜いたところにあります。

俗説では、西欧近代科学は、魔術・錬金術・占星術などの思考法とは全く別のパラダイムの上に成立する施行法であり、前者のような旧来の思想を否定することによって展開してきたということになります。
イエイツは、近代自然科学を準備したのは、俗説によると科学とは全く対照的な魔術的世界観であったことを、薔薇十字団を例にして例解明したのです。
逆に言えば、西欧近代の代表的学問体系である自然科学の核心に、西欧神秘主義の根が深く入り込んでいることになります。
ルネサンス以後の西欧神秘主義を理解するには、その点に留意することが必要です。
17世紀の薔薇十字運動の後を受けて登場するフリーメーソンの解釈も、おのずと従来とは違ったものになってくる筈です。
すなわち、西欧神秘主義の系譜にフリーメーソンをつなごうとするなら、ルネサンス以後の西欧を支配した、近代自然科学技術の視点を必要とするのであります。
(関連情報)
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・薔薇十字団 ( ばらじゅうじだん 、 ( 独: Rosenkreuzer、ローゼンクロイツァー)
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